vol.86

OLのためのフリーペーパー「シティリビング」がオフィスで働く女性の消費動向をガッチリ調査。
女性のマーケティングデータが満載です。

OLマーケットレポート

初詣に成人式、和装を見かけることが多い季節。さてOLが和装を楽しむ割合って?

設問

調査概要

  • 調査期間:2009年12月
  • 調査方法:シティリビングホームページ 「Citywave」メール会員に対するWEBアンケート
  • 集計数:541人(不明・非該当のぞく)
  • 平均年齢:32.6歳
  • 勤務形態:正社員(総合職)…25.7% 正社員(一般職)・・・48.2% 派遣・・・14.0% 契約嘱託・・・5.9% パート・・・5.4% 公務員・・・0.7%

1あなたは一人で着物を着られますか?

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着物を自分で着られる人は12.2%。やはり着物の着付けは難しいようです。但し、浴衣を着られる人は45.3%という結果に。約2人に1人が、自分で着られるようです。

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21年以内に着物や浴衣を着ましたか?

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自分で着られるかどうかに関係なく、着物を着た頻度を尋ねると「1年以内に着た」が16.1%。「3年以内」が10.7%。なかには「いままで着たことがない」という答えも。 年代別では、年代が上がるほど着物を着る機会が減っているようです。

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浴衣に関しては「1年以内に着た」が25.1%。20代では38.5%が1年以内に着ています。着物をよく着る人とそうでない人とでは、やはり「よく着る」人の方が浴衣を着る機会も多いようです。

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3着物を着るのはどんな時ですか?

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着物を着る機会は「挙式・披露宴(自身の)」が39.2%でトップ。次いで「披露宴参列」29.4%、「お正月」25.9%、「和のおけいこのとき」18.9%・・・。

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4着物を着るようになったきっかけは?

  • 母の着物が素晴らしいのに全く使っていなかったことを知ってもったいない!じゃ私が着る・・・と思って 習いました。(33歳・既婚)
  • 披露宴に招待されるたびに服を買うのが嫌になった。せっかく自分の着物を持っているので、着ないともったいないと思った。(33歳・未婚)
  • 茶道を習いはじめてから、お茶会やお初釜の時に着ています。(39歳・未婚)
  • 京都旅行で着物の工房見学をして、こんな素晴らしい技術は日本の誇りだと思い、自分で着られるようになりたいと思ったのがきっかけです(32歳・既婚)
  • 外国人のお友達に日本の民族衣装を見せたいと思った(35歳・既婚)
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5着物に関して知りたいことは何ですか?

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1位は「着崩れない着方」26.3%、「和装の髪型」15.3%、「着物のしきたりや約束事」13.9%、「いろいろな帯の結び方」13.1%、「着物を着ている時の所作」8.8%・・・。 年代別に比較すると、20代は「和装のメイク」、30〜34歳は「いろいろな帯の結び方」「着物を着ている時の所作」、35〜39歳は「着崩れない着方」「手入れの仕方」が、目立ちました。

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6子供に着物を着せたいと思いますか?(七五三などの行事を除く)

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現在の子供の有無とは関係なく、将来自分の子供に着物を着せたいか聞いたところ(七五三などの行事を除く)全体で75.7%もの人が「はい」と回答。着物をあまり着ない人でも7割以上が「子供には着せたい」と回答しているのは、大変興味深い傾向です。

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7着物に対して抱くイメージは何ですか?

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1位は「着付けが大変」73.8%。次いで「伝統的」65.6%。「華やか」「綺麗」といったプラス要素よりも「着付けが大変」というマイナス要素が勝りました。

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8着物を着ていて良かったことや困ったことを教えてください。

○着ていてラッキー!モテちゃうことも。

  • 良かったこと:外国人ウケがいい。パーティや食事会など初めましての方がいっぱいな場でも、覚えてもらえる。(35歳・未婚)
  • 男性からの評判が良く、丁寧に対応してもらえた(38歳・未婚)
  • 正月に夜ホテルのバーで1杯のんでいたとき、数人に声をかけられた。(36歳・未婚)
  • 友人の結婚披露宴の出席時に、着物着ていくと伝えたら、受付を頼まれ、着付代も負担してくれた。出席した男性陣にも評判がよく、新婦の顔を立てれたので、よかった。(31歳・未婚)
  • 着物を着て美術館へ行ったらナンパされた。(30歳・未婚)
  • お正月に彼の実家に着物で行ったら、後片付けとか手伝わなくて良かった(34歳・既婚)
  • 京都の街で着物を着ていると飲食店などでさサービスが受けられる!(26歳・未婚)
  • 歩き方がキレイになる。意識して動作を行うようになるので、本当は日常的に着てみたいと思う!(35歳・既婚)

●着物であぁ困った・・・

  • 自分だけが注意していても、汚されてしまう場合がある。そしてクリーニングも高い!(35歳・未婚)
  • 旅行先で着物を着て歩いたら、写真を撮られて困った(38歳・既婚)
  • 友人の結婚式に着物を着ていきましたが、年配の方のチェックが厳しかったです。(着崩れしていたことなど)(33歳・既婚)
  • トイレにいきにくい。冬は寒い。たくさん食べられない!(38歳・未婚)
  • 超高級レストランでのパーティで、帯が苦しくてほとんど料理に手が付けられなかった(29歳・未婚)
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9着物が似合う有名人

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<まとめ>
  • 日本の民族衣装である着物ですが、今回の調査ではOLの半数以上が自分ひとりで着ることが出来ないという結果がでました。
  • 着物を着られない人でも、浴衣の着用機会はあるようで、浴衣は着物に比べ敷居が低く、親しみやすいということが分かります。
  • 着物を着られるようになったきっかけは、(着物を着る機会が3年以内にあった人) 「小さい頃から「和のおけいこ」を習っていた」、「母または祖母が着物に親しんでいた」(または着付けの先生など)、「着物は沢山あるのに、着られないのはもったいないと感じた」、「アルバイトで着物を着用していた」などが目立ちます。
  • 印象的なのは、着物をよく着る人にとって着物は「自分を美しく見せるもの」であるということ。フリーアンサーの多くは「着物を着ると男の人からの評判がよい」「自分の顔に似合う」といったもので、普段よりも「美しい自分になれる」アイテムとして着物の自分を楽しんでいる人が多いようです。
  • しかしながら、回答者全体の着物に対するイメージは「着付けが大変」がトップ。着付けの難しさが特に大きなネックになっていることが伺えます。
  • 着物を1年以内・3年以内に着た人の着用機会は、「自身の結婚式・披露宴」が1位。年代別では、20代の着用頻度が最も高く、年代が上がるほど少なくなってきています。20代では「成人式」、30代前半では「自身の結婚式・披露宴」と、イベントのタイミングでの着用が多いせいか、特にイベントが無くなってしまうと機会は減るようです。
  • 着物を着られる機会をイベント以外にも増やしていくことで、OLの和装市場はまだまだ広がりを見せそうです。
  • 着物が似合う有名人には、TVCMで着物を着用している方が上位にランクイン! やはり目にする機会が多いTVCMは印象に残りやすいのでしょうか。1位は圧倒的な票数で吉永小百合さんでした。
  • 将来子供に着物を着せたいと思う人は75.7%。自らが着られなくても、次の世代には残したいという思いが見られます。現状、着付けを習うことや、着物の小物を揃えることにコストがかかるため、なかなか新しく始めるに至らない和装。着ることができれば、美しく、男性からの評判もよい・・・と、着ることでの喜びを体感しているOLも少なくありません。これらのプラスイメージは十分和装ブームの源になりうるだけに、若い女性があまり着ていないという現状が残念です。低価格路線や手入れのサービスなど、敷居を低くする工夫で2010年は街で着物姿の女性を見かける機会が増えることを期待します。