vol.29
OLのためのフリーペーパー「シティリビング」がオフィスで働く女性の消費動向をガッチリ調査。
女性のマーケティングデータが満載です。
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OLは恋愛小説よりもミステリーが好き!
「セカチュー」「いま会い」など純愛小説大ヒットの牽引役は確かにOLたちなのですが、実は彼女たちはミステリー小説への関心も非常に高いのです。その他、「最近読んで面白かった本」では昨年話題になったネット発のあの本もランキング入り。「若い女性向け=恋愛もの」という意識を覆すほど、幅広いジャンルの作品が読まれています。
ところでOLたちが書籍にかけている平均月額はどのくらいだと思いますか? 通勤電車の中で毎日本を読んでいる彼女たち、うまく取り込むことができればベストセラーへの近道となるかもしれません。
設問
調査概要
- 調査期間:2005年2月
- 調査方法:シティリビングホームページ 「Citywave」メール会員に対するWEBアンケート
- 集計数:1538人(不明・非該当を除いて集計)
- 回答者プロフィール 平均年齢:30.4歳
1読書が好きか
「大好き」50.3%、「まあ好き」48.3%で、9割以上の人が読書好きと答えています。
2通勤中、何をしているか
やはり「読書」がトップで73.7%。続いて「メール」「寝る」「中吊り広告を読む」「音楽を聴く」などが上位にあがっています。
31ヶ月の書籍代(文庫含む)
全体の平均は2781円。年齢別で比較すると、年齢が高くなるほど「5000円超」購入する割合が増加し、平均金額も高くなります。
4好きな本のジャンル
「ミステリー小説」が最も人気が高く、続いて「恋愛小説」「ノンフィクション」「女性エッセイ」などが上位にランクインしています。
年齢で比較すると「恋愛小説」「女性エッセイ」は若いほど人気が高く、反対に「歴史(時代)小説」「海外文学」は年齢が高いほど人気が高くなります。
5新刊購入のきっかけとなる情報源
「書店店頭で立ち読みして」が半数を占めており、トップ。続いて「周りの人のクチコミ」「中吊り広告」「新聞広告」「新聞の書評」などもよく参考にされているようです。
6最近読んでおもしろかった本
世界中で大ヒット、映画化も決定している「ダ・ヴィンチ・コード」がトップに。続いて根強い人気を誇る「ハリーポッター」、昨年話題になった「電車男」などが上位にランクインしています。
7好きな作家とその理由
- 【宮部みゆき】
どの作品も奥が深く、興味あるストーリー展開で、長編でもまったく、あきさせない。また、時代小説も情のある作品が多く、読んでいて心温まるところ。 (34歳) - 【江國香織】
ほのぼのしている、さらりと読める。生活に支障なく浸透するから。ごく普通の生活の中で何気なくすごしていることを気にとめて考えるようになり、前向きになる。 (24歳) - 【村上春樹】
取り留めのない文章のようだけれど一度読み始めるとやめられない,その世界にひきずりこまれてしまう・・・不思議な魅力がある文章を作ることができる人なので。エッセイなども超有名作家なのにさりげない感じで飄々としているのがいいです。 (30歳) - 【唯川恵】
著者本人がOL経験が長く、結婚も遅くかつ今幸せそうに暮らしているように思える為、現代の働く女性の共感できる部分と憧れる部分をもちあわせており著書に大変興味がある (29歳) - 【吉本ばなな】
特にダイナミックな物語展開があるわけではないけれど、静かな日常生活の中のトクベツを綺麗な形容で流れるように記してあるから。心が洗われるような気がします。 (26歳)
8好きな雑誌とその理由
- 【MORE】
ファッション感覚が一番合う。街角スナップのような特集の時は一番参考になります。 (27歳) - 【Oggi】
OLにとって適度なファッションが載っているから。また恋愛・結婚・転職など興味のあるテーマの読み物が多いので。 (30歳) - 【Hanako】
グルメ、街、旅行、本、音楽、コスメ、美容、健康、イベントなどオールマイティな情報が満載のため。普段興味のないことも雑誌に記載してあることがきっかけで興味をわくこともあるので、自分の人生を豊かにするのにとても役立つ。 (25歳) - 【Caz】
美容と健康の新しい情報がすぐに紹介されているので、実際にお店やエステなどにいくとき利用したりする。便利だから好き。 (24歳)
- OLの9割以上が読書好きで、7割の人が通勤中に読書をして過ごしています。1ヶ月に書籍にかけている金額は、平均で2781円。ハードカバーで2冊弱、文庫なら5冊程度を購入しています。
・ OLたちに人気の高いジャンルは「ミステリー小説」。 “最近読んで面白かった本”でも「ダ・ヴィンチ・コード」「火の粉」などのミステリー作品が上位に挙げられています。2位は「恋愛小説」。若い人ほど支持が高く、「いま、会いにゆきます」「世界の中心で愛をさけぶ」「東京タワー」などが人気でした。 - 新刊などを買うきっかけになる情報源は、メディアやクチコミを抜いて「書店店頭での立ち読み」がトップ。しかし書店まで足を運ばせ実際に本を手に取ってもらうまでには様々なメディアの力が動いているのも事実で、2位以下に「周りの人のクチコミ」「中吊り広告」「新聞広告」「新聞の書評」などが並びました。
- 好きな作家は、ミステリー作品や時代小説で幅広い年代に読まれている「宮部みゆき」が圧倒的な支持を得て1位。その他、江國香織、唯川恵、吉本ばなな など女流作家へ人気が集中しました。
- 好きなファッション誌は「MORE」「Oggi」「CLASSY」など。OLらしく、かつ自分のテイストに合うファッション雑誌を選んでいるようです。好きな情報雑誌は「Hanako」「Caz」「Tokyo Walker」など。OL向け切り口の2誌が他を大きく引き離し、人気を二分しています。
- 月に2781円もの金額を書籍に投入しているOLたち。彼女たちの心を掴むことができれば、ベストセラーへの道が大きく広がります。まずは書店に行き、手に取ってもらうための施策が必要。中吊りや新聞広告などで認知度を上げ、オフィスでのクチコミに乗ることがOL攻略の重要なポイントといえるでしょう。