vol.44

OLのためのフリーペーパー「シティリビング」がオフィスで働く女性の消費動向をガッチリ調査。
女性のマーケティングデータが満載です。

OLマーケットレポート

OLが憧れる“働く女性”1位 黒木瞳、2位 天海祐希

少子化問題や団塊世代の退職などで、女性の働き方について注目が集まっていますね。ひと昔前までは「結婚までの腰掛け」なんていわれていたOLですが、現在ではずいぶんと様変わりしているようです。
「経済格差」などでもよく引き合いに出される、正社員と派遣社員の働き方に対する考え方などを比較してみました。

設問

調査概要

  • 調査期間:2006年6月
  • 調査方法:シティリビング公式サイト 「Citywave」上にアンケートページを掲出
  • 集計数:803人(不明・非該当を除いて集計)
  • 平均年齢:31.1歳
  • 未既婚:未婚71.4%、既婚28.6%
  • 雇用形態:正社員71.0%、派遣社員19.2%
  • 職種:事務系81.1%

1働く目的

グラフ

「生活のためにお金が必要だから」「将来の蓄えを作るため」「趣味にかけるお金がほしいから」と、1位から3位まではお金にまつわることがあげられました。正社員と派遣社員で比較をしてみると、正社員は「将来の蓄えを作るため」「今の仕事はやりがいがあるから」働く、という人が多く、派遣社員は「趣味にかけるお金が欲しいから」「人間関係を広げるため」に働く人が多くなっています。

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2今の仕事で満足している点 (BEST10)

グラフ

「休暇が取りやすい」というのがトップ。そして「職場の人間関係がよい」「自分のペースで仕事ができる」「残業がほとんどない」などが満足ポイントとしてあげられています。正社員と派遣社員を比較すると、正社員は「雇用が安定している」ことに満足をしており、派遣社員は「自分のペースで仕事ができる」ことに満足しています。

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3今の仕事で不満に感じている点 (BEST10)

グラフ

正社員と派遣社員で大きな差が出ました。「給料や待遇が悪い」「部署・雇用形態によって仕事量・質の差がある」「性別で仕事内容や出世に差がある」と感じているのは正社員。派遣社員はそれらへの不満は少ないものの、「スキルアップのチャンスがない」「今の仕事は今後の自分にプラスにならない」と思っている人が多くなっています。

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4現在の会社で、女性の管理職は何割か?

グラフ

「全くいない」のが33.8%、「約1割」が47.6%でした。女性の管理職が約3割以上いるのは10%にも達していません。

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5なれるものなら、管理職になりたいか?

グラフ

管理職に「ぜひなってみたいと思う」人は8.8%、「ややなってみたいと思う」人は24.9%。身近なところに女性の管理職がいないためか、管理職になる意欲のある人は少数派。
年令で比較してみると、意欲が最も高いのは30〜34歳。35歳以上になると再び意欲がしぼんでしまうようです。

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6仕事をする上で目指す女性有名人

グラフ

母でありながらもしなやかな美しさを保っている黒木瞳さんがトップ。2位はドラマなどでもキャリアウーマン役の多い天海祐希さん、子育てと仕事をバランスよくこなしている松嶋菜々子さんなどの女優が上位に。主婦業から社長に転身したダイエーの林文子さん、ブックオフの橋本真由美さんなどもOLたちの憧れの対象になっています。

  • 【黒木 瞳】
    一児の母なのに、それをまったく感じさせない。お洒落でかっこよい。あと、上司・部下関わらず態度は変わらなそう。正義感が強そう。(27歳・正社員)
  • 【天海 裕希】
    割と仕事をこなしていると思うが、ギラギラしてなく颯爽としているし、いくつになっても変わらず、びっくりするくらい綺麗なので。(31歳・正社員)
  • 【松嶋 菜々子】
    子供がいるのに、そんな雰囲気を感じさせない、でもふとした時に母親っぽい一面が感じられるので好感がもてる。(25歳・嘱託、契約社員)
  • 【林 文子】
    ダイエーCEOの林文子さんです。常にチャレンジ精神を忘れず決して人のせいにする事なく常に家族や同僚の方達に感謝の気持ちを持って接している。私も彼女の様に年齢が幾つになろうとも諦めず腐らず親切心を持って人と接したいと思います。(31歳・派遣社員)
  • 【栗原 はるみ】自分のペースで思う存分、仕事も家庭も頑張っているところ。周囲もバックアップしていて協力的だから。(33歳・正社員)
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7(未婚者)結婚後の働き方について

グラフ

「結婚後も今の職場で働きたい」人は正社員で51.0%、派遣社員では33.0%でした。派遣社員は「結婚後は別の職場(パート・アルバイトなど含む)で働きたい」という人が半数を超えています。

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8(未婚者)出産・子育て後も現在の会社に勤めることが可能か

グラフ

これもまた、正社員と派遣社員で大きな開きが出ました。正社員は「可能だと思う」「努力次第で可能だと思う」人が7割を占めているのに大して、派遣社員では約2割の人は「全く不可能だと思」っています。

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9(派遣社員)今後の働き方について

グラフ

現在は派遣で働いているものの「将来的には正社員になりたい」と思う人が42.4%を占めています。年令で比較すると、25〜29歳は「このまま派遣で働きたい」という割合が高め。年令が高くなるほど「起業して独立したい」という人が多くなってきます。

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<まとめ>
  • 働く目的は、「生活のためにお金が必要」「将来の蓄えのため」「趣味にかけるお金のため」などお金のために働く、という回答が上位を占めました。正社員は「やりがいがあるから」働くという人が多く、派遣社員は「趣味にかけるお金が欲しいから」という人が多め。正社員は仕事を重視し、派遣社員は仕事以外のプライベートを重視している働き方が浮かび上がりました。
  • 今の仕事で満足している点は、「休暇がとりやすい」「職場の人間関係がよい」など。仕事の内容よりも、働く環境の良さが満足につながっているようです。不満に感じている点は、給与などの待遇の悪さ、仕事がおもしろくない、など。特に正社員は部署や性別で仕事の内容や出世に差が出ることを不満に思っています。派遣社員は単純業務が多いためか「スキルアップのチャンスがない」「今の仕事は今後の自分にプラスにならないと思う」と感じています。
  • 女性の管理職はまだまだ少なく、「全くいない」が33.8%、「約1割」が47.6%でした。身近なところに女性の管理職がいないせいもあってか「自分も管理職になりたい」と思うOLはまだまだ少数派です。
  • 仕事をする上で目指す女性有名人は、女優の黒木瞳さんがトップ。2位は天海祐希さん、3位は松嶋菜々子さんでした。子育てと仕事をしっかりと両立している黒木さん・松嶋さん、颯爽としたキャリアウーマン風の天海さんがOLの目指すイメージモデルになっています。
  • 結婚後の働き方について、正社員の半数は「結婚後も今の職場で働きたい」と考えているのに対し、派遣社員は「結婚後は別の職場(パート・アルバイトなど含む)で働きたい」と考えている人が過半数。出産・子育て後、今の会社で勤めることが可能か、という問いにも、正社員の7割は可能だと考えているのに対し、派遣社員は半数近くの人が不可能だと感じています。そんな理由もあってか、派遣で働く人の4割以上は「将来的には正社員になりたい」と考えています。
  • 「少子化対策には、女性が働きながら子育てをできる環境づくりを!」「団塊世代退職の空白には女性のチカラを!」と叫ばれてはいるものの、まだまだ性別による出世の差があり、女性の管理職はごくわずかというのが現実。また正社員は子育てと仕事を両立できると考えていますが、派遣社員は出産後に現在の職場に戻ることはできない、という雇用形態による格差の壁も立ちはだかっています。どんな雇用の女性たちでも、意欲があれば働き続けられる社会の仕組みを早く完備させたいものです。