vol.52

OLのためのフリーペーパー「シティリビング」がオフィスで働く女性の消費動向をガッチリ調査。
女性のマーケティングデータが満載です。

OLマーケットレポート

“環境に配慮しているイメージ”の企業ランキング

この冬は過去最高の暖冬だったそうで、地球の温暖化を実感させられた冬でしたね。アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」も話題を呼んでおり、地球温暖化や環境破壊から目を背けられない状況になりつつあるようです。 今回は“環境に配慮しているイメージ”の企業ランキングほか、OLのエコ意識やエコ活動について調査してみました。企業のイメージアップとして欠かせない“環境への配慮”、一体OLたちの間にはどのように伝わっているでしょうか?

設問

調査概要

  • 調査期間:2007年3月
  • 調査方法:シティリビング公式サイト 「Citywave」上にアンケートページを掲出
  • 集計数:379人(不明・非該当を除いて集計)
  • 平均年齢:31.1歳

1環境問題に関心があるか

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環境問題に関心が「非常にある」人は36.7%、「まあある」57.5%をあわせるとほとんどの人が環境問題に関心を持っています。

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2関心のある環境問題

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この冬の暖かさを体感してか、「地球温暖化」がダントツのトップ。「森林や海など自然環境破壊」「ゴミなどの廃棄物処理」「リサイクル」「省エネ」も6割以上の人があげています。

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3日常、意識しているエコ活動

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「冷暖房の温度設定や使用頻度を控えている」「節電を心がけている」人は9割を超えています。リサイクル、節水、環境を配慮した商品の購入なども7割以上の人が心がけています。マイバッグの持参によるレジ袋削減は約6割でした。

実際に行っているエコ活動

  • 【まめにスイッチオフ】
    とにかくマメに消す。TVとかもコンセント抜いちゃいます。タイマー録画は出来なくなりますが、録画してもちゃんと見るか? って感じなので特に不便は感じません。(33歳)
  • 【賞味期限をチェック】
    スーパーで買い物をする時に、どうしても賞味期限が長い物を選んでしまいそうになりますが、すぐ使う食材などは賞味期限が短い物をあえて選んでいます。廃棄されたらもったいないからです。(31歳)
  • 【パックやトレーをリサイクル】
    牛乳パックや、魚や肉のトレーを洗浄して、積極的にスーパーのリサイクルボックスに入れるようにしています。リサイクルできるということとゴミの削減につながるので続けていきたいです。(26歳)
  • 【不都合な真実】
    アル・ゴア米副大統領の「不都合な真実」を見てきました。もっと大々的な働きかけ、意識作りが大事だと思います。ちょっとした意識で(私もそんな一人です)、身近なものから出来る事はいっぱいあると思います。(32歳)
  • 【ラッピングにひと工夫】
    プレゼントを贈る時に、きれいな柄のハンカチなどでラッピングしている。そのハンカチもプレゼントの一つとして。お店に頼むと何重にも包装されるので…。(24歳)
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4実践しようと思いつつ、なかなか出来ないエコ活動

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「マイバッグを持参し、レジ袋をもらわないようにする」が最も多く、4割の人があげています。つい忘れてしまう、通勤のバッグが小さくて入らない…などの理由があるようです。節水やリサイクル、環境に配慮した商品購入はどれも2割を下回っていました。

なかなか実践できない理由

  • 【マイバッグ持参】
    レジ袋が有料な店へ行くときは忘れないように気をつけているが、急に買い物をしたくなったときや、ぬれているもの(食品)を買うときはついもらってしまう。(29歳)
  • 【節水】
    お風呂を沸かすことで水をたくさん使ってしまう。身体が冷えるので湯船に浸かりたいが、翌日洗濯などをしない日はお湯を捨てるので、心が痛みます。また寒いときはつい温度設定を高くしてしまいます。(29歳)
  • 【リサイクル】
    洋服などは、なかなかリサイクルが難しいですね。あげたり売ったりするにも、ブランド物じゃないと…とか。もともとあまりいい洋服ではなかったりすると、せいぜい雑巾にするくらいです。(36歳)
  • 【環境に配慮した商品購入】
    家電を購入する際には一応節電の機能などを比較するようにしているが、価格を優先することも多いため、節電機能を無視してしまうことがある。レジ袋は、ゴミ袋代わりになるので、ついもらってしまう。(26歳)
  • 【冷暖房】
    アパートの構造上?熱がこもりやすく、冬場は暖かくてよいのですが、夏場は逆に熱がこもって暑く1階なので窓を開けたまま寝ることも出来ず、クーラーに頼ってしまいます。(27歳)
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5地球は温暖化していると感じるか

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94.7%の人が温暖化を感じています。「感じない」「わからない」人はごく少数派。やはりほとんどの人がこの冬の温かさを異様に思っているようです。

地球温暖化を実感したエピソード

  • 【朝の通勤時に…】
    最寄駅まで自転車で通っていて、真冬の朝は耳がちぎれるのではないかと思うくらい寒いはずなのに、今年はそう感じる朝が1回ほどしかなかった。(24歳)
  • 【東京に雪が降らなかった】
    特に今年の暖冬!!が気になります。東京は今年の冬1度も雪が降らないし、全世界的に気温が高まってるというし…将来、東京は海の下…なんてことに現実的になりそうな予感がします。(28歳)
  • 【流氷も少なくて…】
    今年の冬の電気代が去年よりはるかに安かった。暖かいのであまりエアコンを使ってないんだなぁと思った。また、北海道に行って流氷を砕きながら進むガリンコ号という船に乗ったけど、流氷が少なくてお金が半分返って来た。(26歳)
  • 【霜柱】
    小さい頃は手がかじかんだり、足の指が寒くて固まってしまったり、庭に霜柱が立っていたりしていたのに、最近はそういうことはなくなった。(28歳)
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6現在働いている企業ではエコ活動を取り入れているか

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回答者が勤める企業の約半数はエコ活動を行っています。「取り入れていない」企業は約3割でした。

現在働いている企業で取り入れているエコ活動

  • 【リサイクル用紙とメール】
    コピー用紙(社内用)はリサイクル紙などを使い、コピーしなくてよいものはメールでやりとりしています。また就業時間が終わるとエアコンが消え、温度も夏は高め、冬は低めに設定されているようです。(33歳)
  • 【ランチタイムの消灯】
    ランチ時間はビル全体の電気を消灯。屋上の緑化。ゴミの分別。社食や弁当など残飯の肥料化。など(28歳)
  • 【節電と裏紙使用】
    うちの会社の人は意識が高いと思います。提案したらトイレの電気も消してくれるようになったし、警備員さんに階段など必要ない時間は電気を消すよう依頼中。裏紙の使用、夏は冷房28度まで、冬は暖房20度までを厳守している。(31歳)
  • 【マイカップ持参】
    サプライ品はほとんどリサイクル製品を購入したり、オフィスコーヒーがあるのですが、紙コップではなく個人のマイマグカップで飲むようにしています。(25歳)
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7エコに力を入れているイメージのある企業

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「トヨタ自動車」が堂々のトップ。プリウスなどのエコカーが印象深いよう。トップ企業としての姿勢が評価されています。亀山工場での取り組みをPRしている「シャープ」は2位に。「松下電器」「東京電力」「サントリー」「ホンダ」も上位にランクインしています。

  • 【トヨタ自動車】
    燃費が少ない車の研究に力を入れている。様々な活動に代表して参加している姿勢が、トップ企業の責任を果たしているように思います。(36歳)
  • 【シャープ】
    国内工場(亀山)では、技術ももちろんだけど、地球環境保護に対する技術もとても優れていると感じている。(広告などでも、工場廃水を、めだかが住めるまで浄化して排出している、と)(33歳)
  • 【松下電器】
    包装材で地球に優しい素材を使用しているので、エコなイメージ。(27歳)
  • 【東京電力】
    「電気を大切にね」というCMを頻繁に流しているから。電力会社なので当たり前だけど、視聴者の意識改革を進める意味で必要だと思います。(28歳)
  • 【サントリー】
    ビール工場の見学に行ったときにエコの説明を受け、徹底しているなぁ、と思いました。(33歳)
  • 【ホンダ】
    よくテレビCMで目にするから。でも、自動車を作って排気ガスを出しているんだから、取り組むのも当たり前のような気もする。(27歳)
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8「理想のエコ生活」とはどんな生活だと思うか?

  • 【もったいないばあさんの生活】
    もったいないばあさんの本のような生活。夜暗くなったら電気は使わず寝る!!現実問題では無理ですけどね…。でも一人一人が少しでも気にかけるだけで、その効果は期待できると思います。もっともっとエコを呼びかけることが必要だと思います。(31歳)
  • 【自給自足】
    自給自足の生活。みんな働きすぎなので、勤務形態を数十年前に戻し、お店の営業時間は9時〜19時まで、深夜営業はなし!(32歳)
  • 【江戸時代の生活】
    江戸時代って、リサイクルも今以上に盛んだったとTVで見た。例えば今だったら、洋服をリフォームして使うとか、車も電気かソーラー車に乗るとか。今は好きなものを好きなだけ買え、飽きるとすぐに捨てる。壊れても直さずすぐ捨てる。そういう意識を変えていかないといけないと思う。(33歳)
  • 【メディアでの啓蒙】
    エコに関心のある人は既に色々やっていると思うが、関心の無い人達が資源の無駄遣いをしていると思う。メディアなどで温暖化の恐さや、簡単に出来るエコ生活について積極的に啓蒙活動をして欲しい。急に「車を使うな」とか極端な事を言っても無理だと思う。「その位なら出来る」と思わせる事がエコ生活への入り口になるのでは。(34歳)
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<まとめ>
  • 環境問題に関心が「非常にある」OLは36.7%、「まあある」は57.5%。OLの9割以上は環境問題に関心を持っています。最も関心が高いのは、この冬誰もが実感したであろう「地球温暖化」。その他、「森林や海など自然環境破壊」「ゴミなどの廃棄物処理」「リサイクル」「省エネ」も6割以上の人が関心を寄せています。
  • 意識しているエコ活動は、「冷暖房の温度設定や使用頻度を控える」がトップ。9割以上の人が実践しています。2位以降「節電」「リサイクル」「節水」「環境に配慮した商品を選ぶようにする」の順。「マイバッグを持参し、レジ袋削減」はなかなか実践が難しいらしく、「実践しようと思いつつなかなかできない」もののトップにあがっています。
  • 地球温暖化を実感している人は94.7%。朝の通勤時に空気の冷たさを感じない、例年よりも電気代が安かった、小さいときによく見かけた霜柱を見なくなった…などの事象により温暖化を体感しているようです。
  • 現在、エコ活動を「取り入れている」企業で働く人は約半数。社で取り組んでいるのはリサイクル用紙の利用やエアコンの温度設定、残飯の肥料化、裏紙の使用など。小さな取り組みでもみんなが行えば大きな力になるはず。「取り組んでいない」「わからない」という残りの半数も、少しずつでも力を入れてほしいものです。
  • “エコに力を入れている”イメージのある企業は、「トヨタ自動車」が堂々のトップ。シャープ、松下電器、東京電力、サントリー、ホンダも上位にランクインしています。テレビCMの影響は大きいようで、エコカーのプリウス、亀山工場の環境への配慮、省エネを呼びかけるキャラクター・でんこちゃんなどが印象に残っているようです。
  • OLたちが理想とするエコ生活として多くの人があげたのが「一人一人の意識を高めること」。大胆な改革よりも日常の中でみんなが少しずつ気をつけていくことが理想だと考える人が多いようで、「もったいないという気持ちを一人一人が持つ」といったコメントが多く寄せられました。また、メディアを通じての啓蒙も期待されています。
  • 地球温暖化の危険性はかねてから語られていましたが、この冬ほど温暖化を体感した年はないでしょう。普段からエコ意識の高いOLたちも更なる意識の向上を余儀なくされているようです。以前からの流れではありますが「環境に配慮している企業」のイメージの高さは今後さらに問われていくでしょう。企業にとっては、環境配慮への姿勢とともにPR力も試されることになりそうです。