vol.95
OLのためのフリーペーパー「シティリビング」がオフィスで働く女性の消費動向をガッチリ調査。
女性のマーケティングデータが満載です。
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共同購入クーポンの利用実態を徹底調査!クーポンを利用したお客さんは通常料金でも来店する?
設問
- 1お店への来店、商品購入の際、割引・特典クーポンを使いますか
◆割引・特典クーポンを「よく使う」「時々使う」業態を教えてください - 21年前と比較して割引・特典クーポンの利用頻度は変化しましたか
- 3利用する割引・特典クーポンの種類はどれですか (割引・特典クーポンを利用されると回答した方のみ)(複数回答可)
- 4お店への初回来店、商品の初回購入の際、割引・特典クーポンの有無で来店・購入の意向に影響がありますか
- 5お店への再来店、商品を再購入する際、割引・特典クーポンの有無で来店・購入の意向に影響がありますか
◆割引・特典クーポンがない場合、「利用頻度が下がる」「利用しなくなる」業態を教えてください - 6割引・特典クーポンを利用したことのあるお店、商品において、割引・特典クーポンがない場合、通常料金(特典・割引なし)で購入しますか
- 7割引・特典クーポンを利用しない場合の理由を教えてください(複数回答可)
- 8「割引」と「特典」どちらに魅力を感じますか(割引金額と特典が同等の金額と仮定します)
- 9共同購入クーポン(購入期間や数量が限定の事前に購入する割引クーポン)を知っていますか
- 10共同購入クーポンの利用理由はなんですか(共同購入クーポンを利用したことがある方にお聞きします)(複数回答可)
- 11共同購入クーポンを今後(も)利用したいと思いますか?
- 12一度共同購入クーポンで利用したお店やサービスをその後共同購入クーポンではなく通常料金でも利用すると思いますか?
調査概要
- 調査期間:2010年10月
- 調査方法:シティリビングホームページ 「Citywave」メール会員に対するWEBアンケート
- 集計数:956人(未婚)(不明・非該当のぞく)
- 平均年齢:34.7歳
- 勤務形態:正社員(総合職)…22.2% 正社員(一般職)・・・44.0% 派遣・・・15.6% 契約嘱託・・・8.2%
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(n=956)
割引・特典クーポンを「よく使う」「時々使う」を合計すると86%と高い数値となり、またクーポンを「全く利用しない」方は2%弱と、かなり低い数字となり、OLのクーポン利用率は極めて高い数値となりました。
割引・特典クーポンを「よく使う」「時々使う」業態を教えてください※使用割合はその業態の非利用者を除く(複数回答可)
居酒屋・ダイニングバーでの割引・特典クーポン利用率は80%とかなり高く、次いで、ファストフード、宅配ピザ等デリバリーサービス、ファミリーレストランとクーポン利用率の高い業態の上位は全て「飲食業」で、割引・特典クーポンとの相性のよさが伺えます。
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(n=956)
割引・特典クーポンの利用がかなり浸透しているためか、1年前と比較したクーポンの利用率に関しては「あまり変わらない」が65%と高く、目立った利用率の上昇は伺えませんでしたが、クーポン利用が「かなり増えた」「増えた」を合計すると、23.5%と高く、依然としてクーポンの利用率上昇傾向は続くと思われます。
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(n=916)※複数回答可
会社でのPC、プリンターの利用環境が整っているということに加え、居酒屋、ダイニングバーの利用率が高いOLという職種のため、PCでプリントアウトしたクーポンの利用が約73%とかなり高い数値となりました。またクーポン付き情報誌を切り抜いたクーポンの利用は38%とかなり低い数値となりました。
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(n=956)
割引・特典クーポンがあると、初回来店、初回購入の意向がかなり高まる | 31.4% |
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割引・特典クーポンがあると、初回来店、初回購入の意向がまあまあ高まる | 58.1% |
割引・特典クーポンがあっても、初回来店、初回購入の意向はあまり高まらない | 8.1% |
割引・特典クーポンがあっても、初回来店、初回購入の意向は高まらない | 2.5% |
割引・特典クーポンがあることによって初回来店、購入の意向が「かなり高まる」「高まる」を合計すると約86%と高い数値となり、割引・特典クーポンが初回来店、購入するにあたってかなりの影響があることが伺えます。
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(n=956)
割引・特典クーポンがあると、再来店、再購入の意向がかなり高まる | 31.1% |
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割引・特典クーポンがあると、再来店、再購入の意向がまあまあ高まる | 55.5% |
割引・特典クーポンがあっても、再来店、再購入はあまり高まらない | 11.0% |
割引・特典クーポンがあっても、再来店、再購入は高まらない | 2.4% |
割引・特典クーポンがあることによって再来店、再購入の意向が「かなり高まる」「高まる」を合計すると約90%と高い数値となり、初回来店、購入と同様に割引・特典クーポンがかなりの影響を及ぼすことが伺えます。ただ、若干ですが初回来店、購入よりは影響が少ないことが伺えます。
割引・特典クーポンがない場合、「利用頻度が下がる」「利用しなくなる」業態を教えてください
※割合はその業態の非利用者を除く(複数回答可)
割引・特典クーポンがない場合、「利用頻度が下がる」「利用しなくなる」業態としては宅配ピザ等のデリバリーサービス、ビューティ、ファストフード、アミューズメント施設であり、この業態に共通するのが「クーポンのプロモーションを乱発している」「特にその業態の商品を買わなくても、来店しなくても生活ができる」ことが挙げられ、割引・特典クーポンを「よく使う」「時々使う」業態とはかなり異なることが伺えます。
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(n=956)
割引・特典クーポンによって、販売促進、来店促進に成功している業態はかなり多いと思われますが、「通常料金」での再来店や商品のリピート購入意向は40%以下となっており、クーポンプロモーションの終了後は、かなり苦戦していることが伺えます。
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(n=956)※複数回答可
割引・特典クーポンの利用意向はあるが、その場に持っていなかった | 82.5% |
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割引・特典クーポンにお得感がない(魅力がない) | 24.9% |
お店(レジ)で出すのが面倒 | 12.1% |
割引・特典クーポンを利用するのがなんとなく恥ずかしい | 9.3% |
割引・特典クーポンを利用する行為そのものが好きではない | 1.2% |
その他 | 5.2% |
割引・特典クーポンの利用意向はかなり高いが、OLはPCを利用し、プリントアウトしたクーポンを利用する頻度が高いため、その場に持ち合わせていないためクーポンを利用しない場合も多々あることが伺える結果となりました。また「面倒」「恥ずかしい」ためクーポンを利用しない場合もあるという意見が約10%ありました。
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(n=956)
クーポンで「割引」してもらうほうが魅力がある(購入、来店に影響を与える) | 74.5% |
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クーポンでの「割引」と「特典」はどちらが魅力的か甲乙つけがたい | 19.0% |
クーポンで「特典」を貰うほうが魅力がある(購入、来店に影響を与える) | 4.3% |
クーポンの「割引」も「特典」も魅力がないので利用しない | 1.6% |
その他 | 0.6% |
クーポンのプロモーションの戦略立案でもっとも難しい問題のひとつである、クーポン内容を「割引か特典かどちらにすべきか」ということですが、「割引」に魅力を感じるOLが圧倒的に多いことが分かりました。
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(n=956)
最近、何かと話題の共同購入クーポンですが、利用経験率が11%、サービスの認知のみが50%弱、という結果で、まだまだこれからのサービスであることが伺えます。今後、共同購入クーポンが、利用者数が伸びクーポンの主流サービスとなるか、一過性の話題で終わるのかは、サービス内容はもちろんのこと、「購入期間や数量限定、事前の購入」といった共同購入クーポン独自機能のユーザビリティの向上が鍵となると思われます。
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(n=100)※複数回答可
通常の割引・特典クーポンに比べて割引内容が魅力的だった | 94.0% |
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割引・特典クーポンの数量が限定されていることに魅力を感じた | 14.0% |
共同(グループ)で割引・特典クーポンを購入するという仕組に魅力を感じた | 13.0% |
なんとなく珍しいので利用してみようと思った | 14.0% |
共同購入クーポンの利用理由として、共同購入クーポン特有の機能である「購入期間や数量が限定の事前に購入する」ということに魅力を感じて利用した、というよりは、他のクーポンに比べ、単に「割引内容が魅力的だった」という回答が94%と圧倒的に多く、現在の共同購入プロモーションが「安売り」プロモーションの側面をぬぐえない結果となりました
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(n=956)
「是非利用したい」という積極利用意向は15%弱とやや低く、「機会があれば利用したい」という意向が54%とかなり多くなりました。クーポンを持っていくだけの…鑑みると、「是非利用したい」という層の開拓はまだ十分ではなく、サービスの広がりのためには「共同購入クーポン」自体のPRが必要と思われます。
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(n=956)
「共同購入クーポン以外では利用しないと思う」理由
- 共同購入で安くなるから利用するのであって、通常の価格ではいくら質の良さを実感しても自費で利用しようとは思わないから(27歳 未婚)
- 50%off とか、あり得ない金額だから、定価だととても高く感じる気がする(32歳 未婚)
- 通常の金額が割高に感じてしまう(32歳 未婚)
- クーポンありなしで、値段の差が大きすぎるので、似たようなサービスでクーポンが使える店を利用する気がする(35歳 未婚)
- ものすごく値下げされているイメージなので、正規料金では利用しないと思う。そもそも、もとがそれだけの値段なのかも信用できない。もとから安いのでは?と思ってしまう(36歳 未婚)
- クーポンがあるからこそ選んだから(38歳 未婚)
「通常料金でも利用する」理由
- 利用してみて本当によかったなら通常料金でも利用すると思う。クーポンは利用するきっかけという要素も大きいと思うので、初回にクーポンでよい体験が出来れば、次回以降はクーポンなしでも利用したいなという気持ちになると思うから(26歳 未婚)
- クーポンがあることで新しいお店へ行くきっかけになる。知らなければいけないけど、気に入れば何度でもいくと思う(29歳 未婚)
- 気に行ったお店であれば、クーポンの有無は関係ないです。クーポンは来店のきっかけになるので、とてもいいと思います(36歳 既婚)
- クーポンは「きっかけ」内容に満足が行かなかったら、2度と行きませんし、満足以上のものを感じたらクーポンが無くても行く(36歳 未婚)
共同購入クーポンの利用経験率が11%と低いため、「わからない」という回答が半数を占めてしまっているが「通常料金でも利用すると思う」という意見より「共同購入クーポン以外では利用しない」という意見のほうが若干多く、ここでもクーポン利用後の「通常料金」での再来店、リピート購入に結びつけることの難しさが浮彫りとなりました。
共同購入クーポンの利用実態を徹底調査!
クーポンを利用したお客さんは通常料金でも来店する?
今回実施した「割引・特典・共同購入のクーポン利用のアンケート調査」ではOLがどんなお店、業態でクーポンを利用しているのか、クーポンがないと利用頻度はどの程度下がるか?クーポンを利用したお店でクーポンがない場合、通常価格でも来店、購入するか?など販売促進におけるクーポンの効果を徹底調査しました。
割引・特典クーポンは、来店のきっかけには有効。しかし、場合によっては安売り常態化の第一歩に
クーポンでのキャンペーンは初回来店や再来店には有効であるが、その後「通常料金」で来店してくれる、商品をリピート購入してくれるロイヤルユーザーにスイッチするには、かなりハードルがあると思われます。割引・特典クーポンを利用した来店プロモーションは、その内容・頻度によっては安売りの常態化になりかねません。利用者が“納得できる”特典内容と理由、そして頻度の3つのバランスが重要になってきます。「この“時期”“日時”“期間”だから、この“特典”を用意しました」と利用者が“納得”“共感”できる内容になっているか、検証すべきでしょう。
共同購入クーポンの流行は、今後のプロモーション次第では一過性の可能性あり
共同購入クーポンの利用目的は、現段階においては、他のクーポンに比べ、「単に割引内容が魅力的だった」という回答が圧倒的に多く、「共同購入」という目新しい看板の下での「安売りプロモーション」の可能性があり、共同購入クーポン利用者が、クーポン利用後、通常料金で再利用する意向もあまり高くなく、また共同購入クーポンの利用意向においても「是非利用したい」との声はあまり高くありません。また、利用意向においても「是非利用したい」層もまだ一部に留まり、このままでは、場合によっては一部の層のブームで終わる可能性もあります。単純なクーポンと違い利用までに手続きが必要なこの「共同購入クーポン」は、現状このサービス自体の更なる認知と理解を深めることが必要だと思われます。
新規顧客を獲得する、獲得した顧客に再度利用してもらうためには「割引・特典クーポン」
「共同購入クーポン」は有効な手段であるが、そこで獲得した顧客に通常料金で利用してもらうには、ハードルは低くありません。クーポンプロモーションは、その特典内容と理由、そして頻度の3つのバランスをとりながら、スポット的なお店の活性化や瞬間的な来店増を目的とした場合に実施することが有効的であり、併せて、将来の継続的な売上げ拡大を図るためには、お店自体の魅力アップや通常料金でも顧客が満足するCRMにも力を入れていく必要があります。